見えないものと見えたもの

振り返れば自分が略奪者になってました。

嘘のようなホントの話

ある休日の朝、彼から連絡が来た。



「全部バレた」



余りにも短い内容に、

なんの事か理解出来ずに返信をする。



「なにが?」



「今までのこと」



「え?どうして?」



「色々見たらしい」



「そか。それで?」



「離婚する」






·····え?離婚?!



あまりの急展開に頭がついてこない。

心臓がバクバクしている。

とりあえず今から来ると言う彼を待つ。

その間も往生際悪く動揺していた。



家に到着した彼は、

不思議な程いつもと変わらなく見えた。




さぁ、聞こう。判決の時。


(まさにこんな心境だった)




奥様は最近の彼に疑いを持ち、

交通系ICカードの履歴を調べると、

頻繁に特定の駅を利用している。



なんなのこの駅?

何があるの?

取引先?




そう聞かれた彼はあっさり不倫を認め、

多少の動揺はあった奥様も、

あっさり離婚に同意したらしい。





...そか。

なんか奥様すごいね。

まさか電車の履歴を調べるとは

すごい技だね。

ちょっと怖いね。

····いや嘘。かなり怖い。


  


急展開した現実に、

何故か私はこんな頓珍漢な感想を言っていた。