見えないものと見えたもの

振り返れば自分が略奪者になってました。

想定外の妊娠と鬼の即決

全面降伏の離婚手続きは奥様に任せ、

私と彼は平和に暮らしていた。

 


言葉は悪いが、全面降伏するんだ。

奥様の良いように渡すんだから、

さっさと手続きやってくれ。


そんな心境だった。




上を見たらキリがない。

下を見てもキリがない。

なんとか生活ができる。それで良い。


有り余る程のお金は無いけれど、

たまには旅行もする。

疲れたら外食だってする。

コソコソする必要も無い。



なにより、彼が居る。

おはようもおやすみも全て直接伝えられる。

不安な気持ちも彼の温もりを感じる事で

吹き飛ぶ。まさにプライスレス。





そんな中、私に妊娠がわかった。

これは本当に想定外で誤算だ。



正確に言えば妊娠確定はしていない。

初期すぎる為、胎嚢のみの確認で、

心拍は確認できなかった。


でも、手術は早い方が良い。



(書いていると鬼のようだなと思う)




もともと子供は嫌いなのだ。



私には私の生活スタイルがある。

愛せないとわかっていて産む必要は無い。



愛する人の子を産み、育てたい。という

女の本能がもともと備わっていないのだから

仕方ない。



子供は欲しいと願い、全力で愛せる人のもとに

生まれるべきだ。






手術を終え、病室で朦朧とする意識の中、

彼と親族に会う予定を立てよう。と

話したの事を今も覚えている。