見えないものと見えたもの

振り返れば自分が略奪者になってました。

彼の日常と答え

料理が苦手な妻の用意する食事は

曜日でメニューが決まっている。

あぁ...今日は〇〇か。俺の人生はこうやって

終わっていく。それを選んだ。




勢いで結婚し、すぐに違うと感じていた。

それでも面倒臭いと過ごしてきた。

妻が望む子供を授かるべく、

指定された日に行為をする。


笑える。

これだけ子供がいて愛がない夫婦とは




たまに早く帰る日もある。

そんな日は子供と風呂にはいる。


全身で今日の出来事を伝える姿。

ケラケラ笑う声。

舌っ足らずな言葉の幼さ。



あぁ

この子達の親なんだ。

何してるんだ。




今、どうしてるんだろう。

泣いてないか。体調が良くなったか。

·····会いたい。


女々しい思いにため息が出る。



いつも通り寝かしつけで妻も寝た。

静かなリビングでスマホを見返しては

気持ちが飛ぶ。



さすがに今からは行けない。

そんな時は用もなくコンビニへ歩く。



夜風にあたりながらいつも電話をかける。

自分勝手な自分がバカらしい。

でも子供がいる。家族は壊せない。なぜ今なんだ。



こんなにハマってしまうとは。

ちょっと息抜きのつもりで、

火遊びするだけのはずが。


別れを告げよう。

なぜ振られた気分になるんだ。

自分が悪いのに。



外で長電話をしながら、

頭ではぐるぐると2人の別れに向かっていた。